チワワについて ~病気、怪我②~

¦ 気管虚脱 (きかんきょだつ) ¦

気管が押しつぶされてぺちゃんこになり、空気の流れが悪化してしまう病気です。発症は中年齢から高年齢に多いですが、若齢でも起こることがあります。

≪症状≫

呼吸時にゼーゼーと息が荒くなったり、ガーガーと乾いた咳をするようになるほか、ときに吐き気の症状がみられます。気管虚脱が悪化すると、呼吸困難となり舌が紫色になるチアノーゼの症状が現れてくることもあります。

≪治療方法≫

軽度な症状な場合は咳止め薬や抗炎症薬などを投与することでよくなることがあります。気管の変形が激しく、また投薬治療では効果がないと判断された場合は、外科手術が施されることがります。

 

¦ 角膜炎 (かくまくえん) ¦

シャンプーが目に入ったり、目をこするなどの刺激やウイルス感染などにより、黒目の部分を覆っている透明な膜である角膜に炎症が起きる病気です。

≪症状≫

痛みで目をこすったり、床に顔をこすりつけたり、まばたきが多くなるといった様子のほか、目やにや涙が多くでるといった症状が現れます。症状が進むにつれて、結膜の充血や角膜混濁(角膜が白く濁る)、まぶたの痙攣、新生血管(角膜表面に血管が伸びてくること)が認められることがあります。

≪治療方法≫

失明の恐れがあるほどの重症例以外は、症状が悪化しないよう二次感染をふせぐための抗生物質の投与、炎症の悪化を防ぐための抗炎症薬の投与、眼球破裂を予防するための運動制限、医療用コンタクトレンズの着用などです。失明の危険性があったり、生活に支障をきたしているような場合は外科手術が行われることがあります。

 

¦ チェリーアイ ¦

第三眼瞼(だいさんがんけん)の裏側にある腺が瞬膜の縁を越えて外に飛び出してしまい、炎症を起こし、赤く腫れあがってしまう病気です。この状態がさくらんぼに似ていることから「チェリーアイ」と呼ばれます。

≪症状≫

片方の目だけに起こることもありますが、両方の目に起こることもあります。目を気にして前足でこすったりする症状がみられます。先天的に腺組織と骨膜とをつなぎとめる力が弱くなっている場合は、チェリーアイを発症しやすくなります。また、何らかの外傷によって瞬膜が炎症を起こしチェリーアイを発症することもあります。好発年齢は6ヵ月~2歳とされています。

≪治療方法≫

飛び出している部分が小さければ、抗炎症薬の点眼薬が処方されることがありますが、あまり効果を上げない子ことが多いようです。飛び出した部分が大きい場合や、小さくても再発をくり返す場合などは、外科手術による整復(元の位置に戻すこと)が行われます。

 

¦ 憎帽弁閉鎖不全症 (ぞうぼうべんへいさふぜんしょう) ¦

心臓の左心室と左心房を隔てる憎帽弁と呼ばれる弁がうまく閉じないため、本来とは逆方向に血液が流れてしまう状態の病気です。どのような犬種にも起こりえますが、特に小型犬に多く、早い場合には5~6歳ごろに発症し、加齢とともに症状は悪化します。

≪症状≫

散歩の途中や帰宅後、夜中などにひどくなる乾いた咳、疲れやすい、酸欠による昏倒、チアノーゼ(酸欠で口内粘膜が青紫色になる)などの症状が現れます。また、病気が進行すると肺水腫を引き起こし、呼吸困難となることもあります。

≪治療方法≫

一度変性した弁や心室を外科的に治療することは困難なため、僧帽弁閉鎖不全症を完治させる方法は、現在のところありません。内科的な治療が中心となります。内科的治療としては食事療法や体重管理、運動制限、そして血管拡張剤や強心薬などの投薬といったことが行われます。

 

 

今回紹介した病気のほかにも、チワワがかかりやすいとされている病気は様々あります。

愛犬の健康維持は飼い主の責任の1つです。病気を知り、正しい知識を身につけておくことも飼い主の大切な役割です。また、早期発見・早期治療ができるよう、愛犬の変化にも気にかけ何かあった場合には独断せずにすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

少しでも長く愛犬との生活を送れるように、病気の予防に努めていきたいですね。

 

豊橋 チワワ アリス